以下は、被告側代理人より提出された担当助産婦の陳述書である。
※できる限り原文通りの記述に従ったが、固有名詞は必要に応じてイニシャルとし、
文中重要な箇所は強調あるいは色を変える等している。
平成12年(ワ)953号損害賠償請求事件
神戸地方裁判所尼崎支部御中
陳述書
頭書記載事件に関して、次の通り、陳述致します。
平成14年1月17日
公立那賀病院勤務担当助産婦
(氏名):J・M
1.胎児心拍数の異常に気づいた経緯
分娩担当者より15時に山下氏が陣痛室に来られるので分娩監視装置(以下モニターで統一)を装着して欲しいと予め依頼を受けていました。15時頃山下氏が自ら陣痛室に来られ丁度、※外来患者のモニター除去をしていた私はそれを終え山下氏をベッドに案内しモニターの装着を行いました。その際、まずドップラーにて胎児心拍が聞こえると思うところに装着を試みましたが児心音が本来聞こえてくるような心拍音ではなく60ぐらいのとぎれとぎれのような心拍音だった為、母体音を聴取している可能性もあると思い場所をずらしたりして何度か聴取を試みました。しかし同じような音でしか聞こえてこなかったのでこれは胎児心拍数の異常ではないかと思いました。
※当院では外来妊婦のモニター装着も必要時外来医師の指示を受け病棟にて行っている。
2.F医師に報告するまでの経緯
まさかと思いながら位置を変えて児心音の確認を試みましたがきこえてくる児心音はやはりとぎれとぎれで高度の除脈である可能性が高まり、そうであれば児心音聴取に時問を要する事は出来ないと思い隣室にいる(このとき主治医は隣の分娩室に居り陣痛室と分娩室は構造上隣り合わせで距離にして数メートル・徒歩数秒程度)主治医に分娩進行状態を含め診察してもらう方がよいと判断し至急、F医師に報告しました。
3.F医師が到着するまでの処置
分娩室と陣痛室は隣り合わせですぐ主治医を呼ぶ事は可能だった為、まず報告し緊急事態に備えました。主治医はすぐに診察をするであろうと判断したのでセミファーラーのままの診察しやすい体位の方が良いと思いこの時点で側仰位等への体位変換は促しませんでした。この間は時問にして数秒程度です。もちろん医師到着までに時問を要することが予想されていれぱ医師の指示がなくても行える体位変換等は実施していました。
4.帝王切開決定のためOPE室搬出するまでの経緯
F医師診察後に緊急帝王切開が決定しY助産婦と一緒に体位変換、酸素投与・点滴留置・剃毛・バルンカテーテル留置・抗生剤の皮内反応等の処置を緊急に実施しました。
出棟したのは15時25分です。手術決定から出棟までは時間にして.20分〜25分程度であったと思います。
以上