病院側の説明


第1回 2000年5月29日 16:30〜17:42


出席者 山下秀樹・睦子  主治医一F医師 (S婦長補佐同席)

【F医師より外来通院時から分娩までの状態説明】

25週の時点が初めての受診で、里帰り後35週の時点で受診し36週にエコーをしたが、 特に異常はなく血液検査も行っているがこれは貧血と出血が止まりにくくないかを検査 しました。
5月22日の37週の診察でベビーに器械をつけた時もベビーは元気でした。 そして入院日の5月25日(37週6日)16時15分に来院、診察して羊水流出を認めこ の時点で子宮口は2cm位でした。子宮口は全部開くとだいたい10cm位です。この時 の破水は前期破水といいます。破水すると陣痛が強くなるのが殆どで時期的には破水の時期が少し早い気もしますが破水後の状態をみるために一晩様子をみました。しかし感染症の可能性が高くなるので抗生剤を次の日の朝から飲んでもらいました。破水してるということは赤ちゃんを包んでいる卵膜が破れている状態ですから24時間を経過するとバイ菌 が移る可能性も高くなる(24時間すぎても移らないこともある)ので朝8時15分から 陣痛をつける薬を飲んでもらいました。9時過ぎに器械(分娩監視装置)をつけましたがベビーの状態は元気で陣痛は2から3分位の軽い山でした。午後1時過ぎ(1時15分) に診察しましたが陣痛はそんなに強くはなかったし、どんどんお産になっていく陣痛ではあ りませんでした。この時点で助産婦が心音をドップラーという器械で確認しています。のみ薬をこの時点で中止し自然の陣痛がどの程度くるかみた上で更に点滴するかどうかも う少し様子をみて決めようと思いました。そして午後3時に器械(分娩監視装置)をつけた時点で赤ちゃんの心臓の動きが弱くなっていたのですが…。骨盤の狭いところを通るとき多少心音が下がることはよくあることでが、まだそんなに進んでないのにすでにしんどい状態になっていました。このような場合、下(経膣)から早く産んでもらう方法として吸引や鉗子といった方法がありますが、ある程度進んでないと出来ません。それ以外の方法としては帝王切開ですがその時点で緊急を要したため十分な説明が出来ませんでした。 最終的に、3時46分に帝王切開で産まれたわけですが、小児科医が立ち会い、蘇生処置 心マッサージ・気管内挿管(説明)等の心肺蘇生処置を行いましたが午後4時38分… 無理でしょうと説明させて頂きました。

【質疑応答】

(秀樹)午後1時から午後3時の間に何が起こったのでしょうか?
 午後1時15分から午後3時の間に何が起こったかということですが………。
陣痛が急に強くなったわけではなく間隔・強さ等めやすにして器械をつけますが1時15 分の時点では元気であり、陣痛もそんなにつよくなかったのでドップラーの確認しかしてい ませんでした。原因はわかりません。何かが起こってきてて急に或いは徐々に悪くなって いったのか…わからない。一般に考えられることとして常位胎盤早期剥離といって胎盤が急に剥がれてしまうと急に赤ちゃんの状態が悪くなることがある。この場合、胎盤の後ろに血の塊がついているが胎盤は問題なかった。又、臍帯巻絡といって臍帯が赤ちゃんの首等に巻いてしんどくなることがあるが、これもなかった。どういう時期に何があったのか分からない。悪い状態から帝王切開までの時間に少し迷った時間もあったが早く手術出来たと思います。1時15分から3時までの 間にもっと心音を聴きに行けばよかったかもしれないが器械(分娩監視装置)の所見からは非常に元気な状態だったのでこの時間にこうなることは考えにくかった。


(秀樹)破水した段階で(入院時の時点で)帝王切開の選択は?
 破水したからすぐ帝王切開とは決められない。バイ菌が影響を与えるまで24時間はかかる。状態(進み具合)をみて判断して決める。器械上は元気だったので経過をみた。経口の陣痛促進剤に続いて点滴の陣痛促進剤を抗生剤と使い、2、3日たてば帝王切開になると思う。

(秀樹)破水していて羊水が流出していましたが、羊水が減って赤ちゃんにストレスがかかっていたのでは?
A 羊水が減ると赤ちゃんにストレスがかかる。それは器械をつけると予測できる。羊水の減少によるストレスは考えられなかった。

(秀樹)羊水の量を確認するためにエコーで調べないのか?
A 羊水の量よりも赤ちゃんのストレスで考えた。だからエコーはしなかった。

(秀樹)ドップラーの検査が最後の2時間はなかったのはなぜか?
A 急激に悪くならないと思った。
 (睦子)診察をしてもらって3時までの間に陣痛が辛くなったけど、赤ちゃんの具合が悪くなっていたのでは。客観的に器械ではかるとどうだのか。

A 
胎便、緑の便ですが、赤ちゃんの調子が悪ければ出てきて、羊水が混濁するはず。しかし、羊水の混濁は午後3時の時点でも確認できなかった。
24時間モニターすることはしていない。ずっとモニターすることは赤ちゃんにもお母さんにもストレスになるので。


(秀樹)陣痛室に入った時点で陣痛が1分半位できてたと思うが陣痛室にはどんな時期に入るのか?
 分娩間近の状態。陣痛、間隔、早さ(進行状態)、トイレに行きたくなる感じや下がり具合、それまでの分娩の進み具合や時間的な経過を総体的に把握して多少主観的な判断要素も交えて(初産婦は比較的緩やか等)入室時期を決める。早く入りすぎると早く入ったのにまだ産まれないなどかえってストレスになることもある。

(秀樹)陣痛では間隔と強さのどちらが重要なのか?
A 強さのほうが問題。陣痛の感じ方は人によって違う。お母さんの個人によって違う。それをどう読み取るかである。


(睦子)診察してもらって(午後1時15分)下着をはいてるときも又、陣痛がきて … 強くなっていたと思う。6錠目を飲んで1時間後に調べてくれると思っていたが(それまで薬を1時間毎にもってきてくれて心音を聴いてくれた)来なかった。不安になった。 赤ちゃんが暴れたように思った。今までに感じたことがないくらい両足で蹴った気がした。 元気に動いていると思ったが後になって思えばしんどかったのかと心配になった。
 ふつうはしんどくなると動かなくなる。
1時15分から3時過ぎまでの聞に心音を聴いていれぱ、もしかしたら早い段階で発見でき たかもしれないが今となってはわからない。


(睦子)3時の時点で意識がなくなりそうなほど辛かった。急激に(陣痛が)きてたのでは?
 診察(内診)することで強くなることもある。陣痛時に血行が悪くなる。それが終われば元に戻る。そのとき強く起こってたのかどうかは今は何ともわからないが。しんどくなってから向きを変えたり酸素を投与したりし、短時間ならば胎児の心拍数は回復する。帝王切開 したが間にあわなかった。


(秀樹)2,600g以上で産まれて仮死状態で助からなかったのはなぜ?早産などで体重1000gの赤ちゃんでも助 かってる例もあるが。
 体重が大きくても助からないことはある。助かったケースは大抵、帝王切開で赤ちゃんの状態がいい場合が殆ど。呼吸や心臓の状態含めて…1000g以下で助かっているのは肺を成熟させる薬を使っている場合が殆ど。このようなケースは早産などが多くN ICU施設でのこと。那賀病院にはNICUがない。小さな子供が産まれた場合ここではどうなるかわからない。NICUへ搬送する段階で駄目なこともある。今回は急に悪くなるような(9時過ぎのCTG)
結果ではなかった。2〜3日このままでもいいような状態だった。なのに産まれたときには心臓も止まっていたような状態だった。

(秀樹)赤ちゃんに先天的な異常はなかったか?
 予測されるものはなかった。エコーの検査でみた限りでは(心臓専門ではないが)明らか
な異常はなかった。肺の問題では空気を入札れば確認できるはずだからなかったと思う。 経過的な推測ですが。


(秀樹)帝王切開の判断は医師だと思うがこっちから言ってたら(お願いしてたら)したのか?
 (睦子)内服の後、点滴をすると言ったら帝王切開して欲しいと言うつもりだった。
 難しいがお産の進み具合が悪くなかなか進まなかったら帝王切開になることは多い。 帝王切開は安全だと思っている人が多いが帝王切開することでお母さんに問題が起こることもあるので容易にはいかない。山下さんの場合陣痛をつける薬をのまなかったら自然の経過をみて帝王切開になっていたかもしれない。状態にもよるが午前中に申し出があっても(時間的には)やっぱり午後とか夕方近くになってたかもしれない。
のみ薬はどちらかというと子宮の口を軟らかくすることを期待して……のみ薬で(陣痛が)過強になることは殆どない。極端な話になると全員帝王切開になってしまう。この場合、赤ちゃんが急に悪くなるとは思わなかったのですぐに帝王切開を考えなかった。急に悪くなっている場合(通常は徐々に悪くなることが多いのですが)を考えると駄目だったのかもしれない。2時間近くあいてしまったことは悪かったがこちらとしては手落ちが何もない。余計に説明のしようがない。

※経口の陣痛促進剤(プロスタルモンE)は、効果が弱い、過強陣痛が起こりにくいというのは根拠がない。前期破水し、羊水が減少している場合臍帯の圧迫などで胎児仮死に陥る可能性があり、加えて陣痛促進をすれば一層慎重に分娩監視装置による連続監視が必要であった。

次のことを考えると、そしたら37週で帝王切開するとなるとこれも難しい。37週では呼吸状態が急激に悪くなることがあるかもしれない。 陣痛がきて産道を通って呼吸を促す何かがあると言われている。エコーで体重を確認して赤ちゃんの発育をみて決定した方がいい。38〜39週位か。

(秀樹)何か注意することは?
 特にないと思うが強いて言えば妊娠中毒症に気をつけて塩分の摂りすぎなどに注意すること。帝王切開自体は3回は大丈夫ですが4〜5回となると子宮破裂などもあり得るため危険!1〜2年あけなけれぱいけないことはないが傷の状態を観ながら決めていけばよい …… 半年位で大丈夫。あまりいろいろ気にしすぎるとストレスになるので気にしすぎないよう。


(秀樹)今回、事前の検査で白血球が多かったがすでに感染していた可能性は?
 破水以外に考えられるものとしては胎盤からの感染でウイルス、細菌など。しかし胎盤の異常などなかったので可能性は低く考えにくい。


(秀樹) 次の妊娠までどの位あけたらよいか?
 出来たら生理が2〜3回あってから次の妊娠を考えたほうがいい。

 その他のQ
 Q妊娠前に一度健康診断を受けた方がいいか?等


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